りぶらりあ選書
観光のまなざし―現代社会におけるレジャーと旅行

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  • サイズ B6判/ページ数 289,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588021619
  • NDC分類 689
  • Cコード C1336

出版社内容情報

フーコーの〈まなざし〉概念を手がかりに、ツーリストの視線とその対象を歴史的・経済的・文化的・視覚的レベルで分析し、観光の文化を読み解く。

内容説明

ミシェル・フーコーの〈まなざし〉の概念をてがかりに、ツーリストの視線とその対象を歴史的・経済的・文化的・視覚的なさまざまのレベルにおいて分析した画期的な〈観光論〉。大衆観光の起源、発展と衰退を産業革命期の社会史をふまえて論じ、現代における観光形態の変容をポストモダン文化の展開と結びつけて説く。実証的な記述は〈観光の未来〉を模索する現場の人びとに具体的な示唆を与え、〈観光〉をテクストに〈文化〉=人間の営為を読み解く姿勢は、幅広い読者層に知的刺激を与える。

目次

第1章 観光のまなざし
第2章 大衆観光と海浜リゾート地の盛衰
第3章 変わりゆく観光産業の経済学
第4章 観光のまなざしのもとで働く
第5章 文化変容と観光のリストラ
第6章 歴史へまなざしを向ける
第7章 観光、文化、社会的不均等

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

20
1990年初出。 まなざしは記号を通して構築。 観光は記号の集積(6頁)。 観光の経済学は、文化的発展と政策的発展 の分析と切り離しては理解されえない(73頁)。 ミシャンは過密コストを指摘し、 雑踏、静寂の欠如、景観破壊というマイナス価値 という外部不経済が観光の価格設定の中で、 現世代と未来世代の間の利害対立を招くという(74頁)。 ケニアは動物観光、メキシコは民族観光、 ガンビアはスポーツ観光など、途上国にとって 発展の手段が観光というのは今日的にも意義がある(113頁)。  2014/05/22

★★★★★

7
観光について、その個別の側面ではなく、そもそも観光とはなんぞやという本質的問題提起から取り組んだ論考。本書で著者は、フーコーを援用した「まなざし」という概念を使って観光という現象を論じてゆきます。批判されているようにこの概念だと確かに曖昧で、なんでも都合良くこじつけられちゃう気はするけど、観光関連に興味があるなら必ず通るべき重要な一冊だと思いました。2010/11/07

yamikin

5
ボブズボウムの「創られた伝統」やアンダーソンの「想像の共同体」概念と極めて近い領域にある議論。域外の者からの〈まなざし〉によって域内の特徴を内面化、自覚し、そして物語を創り上げ観光資源化してゆくプロセス。歴史のオーセンティシティ問題など、まちおこし運動論においては必読の書。2011/01/24

doji

0
ポストモダンの枠組みからかたられる観光客とまなざしを向けられる対象、それはそのまま東浩紀さんの「観光客の哲学」に引き継がれていく。ツーリストとポストツーリストなど、プレモダンからポストモダンへいくなかでの変化はとてもおもしろくよんだ。個人的にはポストモダンに知的にひかれながらもスタンスとしては抗いたいきもちが増していった。2017/06/01

 

0
イギリスの観光の歴史についての議論が、日本の現状分析にも援用できそうだと思った。2011/03/07

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