出版社内容情報
『資本論』解釈に読者の次元を導入し,マルクスはなぜアイロニカルな文体を用いたのか,その言説と,ブルジョワ社会の現実に関する形而上学的説明との関連を探る。
内容説明
私の目的は単にマルクスのテキストを解説しようとすることにはなく、その情緒的な力の幾分でも、もう一度呼び起こそうとすることにある。マルクスの文学的に見事なアイロニカルな言説とブルジョワ社会の現実の性格に関するかれの「形而上学的」説明の間にはどのような論理的関連があるのか。なぜマルクスは自分自身で設定した知的作業をやり遂げるためにあのような文体を選ぶ必要があるのか。本書は一つの解答の試みである。
目次
文体の存在論的前提
工場と洞窟 資本主義の転倒した世界
ファインシュメック夫人のパンケーキ あるいはブルジョワ経済学の風変わりなカテゴリーに関するノート