出版社内容情報
人類の歴史を長らく規定してきた伝統的な家父長制の社会構造が根本から揺らいでいる現代。経済・労働・家族・セクシュアリティのあらゆる条件が必然的に変化し、これまで正統とされてきた男性中心主義や異性愛中心主義の規範が不当なものとなった世界に生じる政治的・文化的葛藤を学問はどのように把握すべきか? フランスの気鋭の社会学者による現代文明のジェンダー編成分析。
【目次】
序 論 ジェンダーの社会学
第1章 ジェンダー編成を考える
ジェンダーは一つの社会関係である
ジェンダー編成の歴史性と偶然性
第2章 近代性と衝突した伝統的家父長制
伝統的家父長制の論理
近代性の噴出
第3章 近代的家父長制とその内部諸矛盾
近代的家父長制の論理
近代的家父長制のさまざまな葛藤
政治vs自然
ジェンダーvs自然
個人主義vs家父長制的家族
第4章 ポスト家父長制の諸条件とさまざまな緊張
権利上および事実上の諸条件
さまざまな社会的緊張
逆説的な個人化──異なる、類似した、不平等な人々
世界への関係の非対称性とさまざまな社会的な履歴
社会的組織の非対称性
性差別の有用性
社会的平等に反する家庭内の非対称性
さまざまな主観的緊張
ジェンダーと「うまくやる」──女性たちの二律背反と男性たちの曖昧さ
日常的支配と病的な切断
批判的な再意味づけ
ポスト家父長制の葛藤的性質
第5章 近代化された家父長制から混成的編成へ
近代化され再近代化された家父長制
混成的編成の葛藤性
結 論 ジェンダー編成の比較
訳者あとがき
文献一覧
人名索引



