出版社内容情報
啓蒙時代の礼節や行儀作法が、文明化の価値、社会慣習と誠実さとの緊張関係、人類の多様性などの問題を浮上させる。モンテスキュー、ヴォルテール、ヒューム、ルソー、カント、スタール夫人らの考察から、今日では等閑に付されがちな法・習俗・マナーの関係にまで光を当て、その考察が炙り出した政治的・道徳的問題が、現在もなお私たちの重要な問題であることを明らかにする。
内容説明
行儀作法と礼節をめぐる考察は道徳的であると同時に政治的である。この考察は文明化の価値、社会慣習と誠実さとの緊張関係、人類の多様性の理解などの問題を浮かび上がらせる。モンテスキュー、ヴォルテール、ヒューム、ルソー、カント、スタール夫人の考察から、法・習俗・マナーの関係にまで光を当て、その政治的・道徳的問題が、現在もなお私たちの重要な問題であることを明らかにする。
目次
第一章 行儀作法と礼節―古典主義時代から啓蒙時代へ
第二章 王、法、習俗―ヴォルテールと君主政フランス
第三章 モンテスキュー、フランス、イギリス
第四章 礼節と自由―ヒュームの政治哲学
第五章 ルソー、あるいは真正さのパラドクス
第六章 礼節と道徳性―カント流の総括
第七章 啓蒙の地誌―スタール夫人の場合
第八章 アメリカと民主主義
著者等紹介
レノ,フィリップ[レノ,フィリップ] [Raynaud,Philippe]
1952‐。サン=クルーの高等師範学校(リヨン)を卒業、1987年に政治学で国家博士号を取得。パンテオン=アサス(パリ第2)大学、社会科学高等研究院(EHESS)、レイモン・アロン政治研究センター(社会科学高等研究院)、パリ政治学院で教鞭を取ったのち、パンテオン=アサス(パリ第2)大学名誉教授(政治学)。専門はアメリカ政治思想・法思想史、法哲学、政治哲学。フランス学士院会員。本書によってラ・ブリュイエール賞(アカデミー・フランセーズ、2014)、ボルドー・モンテーニュ賞(ボルドー・ワイン・アカデミー/ボルドー市、2014)を受賞
増田都希[マスダトキ]
1973年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科言語社会専攻博士課程修了、学術博士。東海大学特任准教授。専門は近世フランス文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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