出版社内容情報
ダーウィンの進化論は旧来の自然科学のみならず哲学・宗教・政治経済をはじめとする人文社会科学の諸概念をも刷新したが、ダーウィン自身の意に反してその自然選択と競争の原理は曲解され、やがて悪しき優生思想や新自由主義的思考を生み出していった。著名な動物行動学者が社会進化論の犯した誤りを糺し、動物としての人間が生まれもつ協同・利他的本能の秘められた可能性を示すアクチュアルなダーウィン論。
内容説明
いま明かされる進化論の真実。自然科学のみならず人文・社会科学の諸概念をも刷新した進化論は、同時に多くの誤読・曲解にさらされ、悪しきイデオロギーの源泉ともなった。著名な動物行動学者が社会ダーウィニズムの過ちを糺し、人間が生まれもった協同・利他的本能によって競争原理を補完する方途を示す、アクチュアルなダーウィン論!
目次
第1章 進化の発明(「落ちこぼれ」のとんでもない考え;ミステリーのミステリー;“大建築家”のプラントは何だったか?;尺度とパラダイムを変えなくてはならない;誰が進化を発見したのか?)
第2章 社会ダーウィニズム(北アメリカの資本主義;フランスにおける生物学的レイシズムの創設;イギリスの優生学;ドイツのナチズム;生存闘争)
第3章 ダーウィン社会主義(イギリスのマルクス主義;ソ連のルイセンコ主義;ヨーロッパのアナキズム;利他行動の生物学;先天性か後天性か?;社会生物学という爆弾)
第4章 ダーウィニズムの社会的射程(インテリジェント・デザインの祖先としての自然神学;悪魔の福音;不道徳な学説;ダーウィニズムの道徳的射程)
第5章 ダーウィン的社会(資本主義社会の反映;ダーウィン左派;ダーウィン右派か?;人間的例外とは何か?;真のダーヴィンとは何者か?)
著者等紹介
ジュヴァンタン,ピエール[ジュヴァンタン,ピエール] [Jouventin,Pierre]
1942年、マルセイユ生まれの動物行動学・生態学者。モンペリエ第2大学にて博士号を取得。1985年よりフランス国立科学研究センター(CNRS)のシゼ生物学研究センター所長を務める。特に鳥類と哺乳類および南極の生態学を専門とし、ペンギンの研究で知られる
杉村昌昭[スギムラマサアキ]
1945年生まれ。龍谷大学名誉教授。フランス文学・現代思想専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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