出版社内容情報
「廉潔の士」、強力な権限をもつ公安委員会の委員、最期は自身もギロティンで首を刎ねられた「暴君」……。死後二世紀を経た今なおロベスピエールは人びとの感情的な偏見と論争の対象である。革命的な理想の創出者だったのか、あるいは恐怖政治の創始者だったのか。本書は革命の進展と同時に彼が選択した政治的立場を丁寧に辿り、怪物というイメージがいかにして創り出されたのかを明らかにする。
内容説明
フランス革命の魂にして謎。「廉潔の士」、強力な権限をもつ公安委員会の委員、最期は自身もギロティンで首を刎ねられた「暴君」…。死後二世紀を経た今なおロベスピエールは人びとの感情的な偏見と論争の対象である。革命的な理想の創出者だったのか、あるいは恐怖政治の創始者だったのか。革命の進展と同時に彼が選択した政治的立場を丁寧に辿り、怪物というイメージがいかにして創り出されたのかを明らかにする。
目次
序言
第1章 若い有力者の人物像(一七五八‐一七八三年)
第2章 政治活動の開始(一七八三‐一七八九年)
第3章 「ロベスピエール」から「廉潔の士」へ(一七八九‐一七九一年春)
第4章 ジャコバン派の旗頭(一七九一年春‐九月)
第5章 異議を唱えられた指導者(一七九一年十月‐一七九二年九月)
第6章 優柔不断な統率者(一七九二年九月‐一七九三年七月)
第7章 権力の試練(一七九三年七月‐一七九四年四月)
第8章 打ち倒された偶像(一七九四年四月‐十二月)
第9章 怪物としての革命家像
結論 フランス革命の魂にして謎
著者等紹介
マルタン,ジャン=クレマン[マルタン,ジャンクレマン] [Martin,Jean‐Cl´ement]
1948年、ヴァンデー県の東隣のドゥ=セーヴル県の生まれ。エマニュエル・ル・ロワ・ラデュリの指導のもとで課程博士論文(ドゥ=セーヴル県の県庁所在地ニヨール(Niort)の18・19世紀における商人世界を扱ったもの)を提出(パリ第一大学)した。パリ第十三大学講師を経て、1988年にナント大学教授、その間にやはりル・ロワ・ラデュリの指導のもとで国家博士論文「ヴァンデー戦争とその記憶。1793‐1980年」を提出(1987年)。2000年にパリ第一大学のフランス革命史講座教授となり、同時にフランス革命史研究所所長に就任した。2008年に退職し、現在は名誉教授。革命史研究のほかに、歴史教育のあり方を検討し、政府への提言も行なってきた
田中正人[タナカマサト]
1944年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士課程満期修了。愛知県立大学外国語学部(フランス学科)教授を経て、愛知大学法学部教授。愛知大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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