出版社内容情報
リオタールはその最初の書物においてレヴィナスの他者論を現象学の重要な展開のひとつとして論じ、その後も生涯にわたりレヴィナスから継承した〈他者の呼び声〉を軸とする倫理学分析を続けた。レヴィナスとカントの差異を示す未完の表題作、レヴィナスとリオタールが対峙したセーヴル討論の記録「知とは別様に」のほか、現象学的他者論、言語論およびユダヤ的倫理を考えるうえで不可欠の五篇を収録。
内容説明
20世紀フランスを代表するふたりの哲学者、リオタールとレヴィナスの思考が交錯する。レヴィナスより継承した“他者”という問題を生涯にわたり考究しつづけたリオタールによるレヴィナス論集。リオタールの国家博士論文『言説、形象』と主著『文の抗争』とを接続する言語論的転回の始発点を示す表題作、ハイデガーおよびユダヤ性をめぐりリオタールとレヴィナスが対峙したセーヴル討論の記録「知とは別様に」ほか五篇と、ポール・オーディによる序文、ジェラール・スフェズによる解題を収録。
目次
第1部(レヴィナスの論理;知とは別様に)
第2部(規制的言表における他者と、自律の問題;他者の諸権利;刃の乱れ―“隠喩”を称えて)
“他者”の厚み(ジェラール・スフェズ)
著者等紹介
リオタール,ジャン=フランソワ[リオタール,ジャンフランソワ] [Lyotard,Jean‐Fran〓ois]
1924年、ヴェルサイユに生まれる。現象学およびマルクス、フロイトの批判的再検討を通じて政治・経済・哲学・美学など多方面にわたる理論的・実践的活動を展開、20世紀後半のフランスを代表する思想家・哲学者として広く知られる。パリ第8大学教授を経て、国際哲学院を設立、学院長を務めた。1998年4月死去
松葉類[マツバルイ]
1988年生まれ。京都大学文学部研究科博士課程研究指導認定退学。博士(文学)。フランス現代思想、ユダヤ思想。現在、立命館大学間文化現象学研究センター客員協力研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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