出版社内容情報
メタファー学とは、メタファーという観点から、哲学のみならず、神学・科学・文学・芸術などを横断的に叙述する新機軸の思想史である。その意図は、哲学の発生や人間の生の理解を根源的に考察しようとするところにある。概念的な規定とは一線を画した斬新な学知の光景がそこには広がっている。膨大な学殖に基づく知性の奔流を堪能し、その構想の全体像を俯瞰できる格好の案内書。
内容説明
絶対的メタファーの諸相。人間の存在意味という正解のない問いに哲学的思考はいかに応答するか。初期著作にして、後年の思想的展開をも予見する格好の案内書。
目次
第1章 「真理の力」の隠喩法
第2章 真理の隠喩法と認識の実効的機能
第3章 真理のイメージについての術語論的・メタファー学的横断面
第4章 「裸の」真理の隠喩法
第5章 「未知の土地」と「未完の宇宙」―近代的な世界経験のメタファー
第6章 背景隠喩法としての有機体と機械
第7章 神話と隠喩法
第8章 メタファーとその術語化―「真理らしさ」から「蓋然性へ」
第9章 宇宙論のメタファー化
第10章 幾何学のシンボルとメタファー
著者等紹介
ブルーメンベルク,ハンス[ブルーメンベルク,ハンス] [Blumenberg,Hans]
1920年ドイツのリューベックに生まれる。母はユダヤ人で、戦争中ナチスの迫害を避け身を隠していた家の娘と結婚する。キール大学で教授資格を取得、同大学を皮切りに、ハンブルク、ギーセン、ボッフム、ミュンスターの各大学で教鞭をとる。“詩学と解釈学”グループ(ギーセン)の創立メンバー。96年3月、75歳で死去
村井則夫[ムライノリオ]
1962年生。上智大学大学院哲学研究科博士後期課程満期修了。博士(哲学)。明星大学教授(2013‐2017年)、中央大学文学部教授(2017‐2022年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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