出版社内容情報
西欧哲学の伝統的概念としての知は、聖書およびヘブライ的なものに由来する思考を汲み尽くすことができない。終わりなき聖書解釈の運動としてのヘブライ的思考とギリシア的概念体系との間をたえず揺れ動きながら、語りえぬ神すなわち無限者の痕跡について語ろうとするレヴィナス哲学の展開をたどり、その根底におけるユダヤ思想との結びつきを明らかにする。
内容説明
哲学的合理性が忘却したものを求めて。ギリシアの伝統を引き継ぐ哲学と聖書に源泉を持つ哲学とのあいだの緊張関係をときほぐし、この災厄の時代に隣人の苦しみに応答することの意味を問う。レヴィナスと神学、ハスィディズムおよび神秘主義思想の近さと遠さを精緻に分析する重要書。
目次
第一章 創造
第二章 形而上学的“欲望”
第三章 神の不在
第四章 預言
第五章 時間性と終末論
第六章 希望の方向づけとしての痕跡
第七章 聖潔
補遺 レヴィナスとタルムード
補遺 表象の禁止
著者等紹介
シャリエ,カトリーヌ[シャリエ,カトリーヌ] [Chalier,Catherine]
1947年生まれ。パリ西大学ナンテール校(旧パリ第10大学)名誉教授。フランシス・カプランに師事し、トゥール大学にて博士号(哲学)を取得。哲学とユダヤ教を架橋した業績によって、ダニャン・ブーベレ賞(2006年)、フランシーヌ・エ・アントワーヌ・ベルンハイム賞(2010年)、信仰を持つ作家賞(2010年)などを受賞
佐藤香織[サトウカオリ]
1978年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。パリ西大学ナンテール校でシャリエに師事し、博士号(哲学)を取得。フランス哲学専攻。現在、東京都立大学、神奈川大学ほか講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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