出版社内容情報
文芸批評の名著『透明と障害』と対をなす、著者最晩年に刊行されたルソー論。『社会契約論』や『エミール』『夢想』の作家が、堕落した文明社会を激しく告発し、原初の幸福へと誘惑することで多くの熱狂的読者を獲得した行程を、新しい雄弁とレトリックの創造に注目して鮮やかに描き出す。民主主義と近代文学の時代はいかにして開かれたのか? 大批評家の本領が発揮された好著。
内容説明
文芸批評の名著『透明と障害』と対をなす、著者最晩年に刊行されたルソー論。『社会契約論』や『エミール』『夢想』の作家が、堕落した文明社会を激しく告発し、原初の幸福へと誘惑することで多くの熱狂的読者を獲得した行程を、新しい雄弁とレトリックの創造に注目して鮮やかに描き出す。民主主義と近代文学の時代はいかにして開かれたのか?大批評家の本領が発揮された好著。
目次
徳の憤慨
第1部 真実を語ること(あなた方はどうなってしまったのか?;偶像破壊論者のアトリエ;ルソーと雄弁;スタール夫人とルソー―感情の権威)
第2部 喪失、方策(国外追放の詩人;信条の選択)
第3部 人間は自由な者として生まれた(人間の権利;恐怖を乗り越える;草上の朝食と社会契約)
第4部 ことばと音楽(『言語起源論』)
エピローグ―ジャン=ジャック・ルソーに贈る花束
ポスト・スクリプトゥム(追伸)―忘れられたテクスト「徳についての手紙」
著者等紹介
スタロバンスキー,ジャン[スタロバンスキー,ジャン] [Starobinski,Jean]
1920年スイスのジュネーヴ生まれの批評家、文学研究者。ジュネーヴ大学で精神医学と文学を修め、アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学を経て、1958年から85年までジュネーヴ大学文学部教授として思想史を講義。テーマ批評で知られるジュネーヴ学派の旗手としてジャン=ジャック・ルソー論『透明と障害』で華々しく登場し、フランスのヌーヴェル・クリティークの一翼を担うとともに、近年では文芸批評と思想史を組み合わせた領域横断的な文化史・概念史を精力的に展開してきた。ジュネーヴ大学名誉教授。フランス学士院会員。1965年から92年までジャン=ジャック・ルソー協会会長。1998年にアカデミー・フランセーズのフランス語圏大賞を受賞。2019年3月没
浜名優美[ハマナマサミ]
1947年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科フランス文学専攻博士課程単位取得満期退学。南山大学総合政策学部教授・南山学園理事を経て、南山大学名誉教授。専攻は現代文明論・フランス思想
井上櫻子[イノウエサクラコ]
1977年生まれ。パリ=ソルボンヌ大学博士課程修了。慶應義塾大学文学部准教授。専攻は18世紀フランス文学・思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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