内容説明
ブルデューのハビトゥス理論を批判し、複数の異質な文脈を横断しながら、個人が身体化した性向の体系の多元性と、行為の展開される文脈の多元性とをかけあわせつつ実践の産出の論理を探求する。「個人」を主題化する新しい社会学へ―その展開の可能性を提示する。
目次
第1幕 複数的行為者の理論の素描(複数的行為者;行為のさまざまな原動力;類推と転移)
第2幕 再帰性と行為の論理(学校・行為・言語;日常生活の中の書きとめるという行為;行為の論理の複数性)
第3幕 身体化の諸形式(言葉の位置;何が身体化されるのか?)
第4幕 作業現場と議論(心理学的社会学;適合性の場)
著者等紹介
ライール,ベルナール[ライール,ベルナール] [Lahire,Bernard]
1963年生まれ。リヨン高等師範学校教授。ピエール・ブルデューの文化的再生産論の影響のもとで、民衆階層出身者の学校での成功や失敗、日常生活への書き言葉の取り込みの様式などについての経験的研究を進める。これを通じて、ブルデューのハビトゥス論、場の理論に批判的検討を加え、「性向」と「文脈」の相互連関的な規定力を重視した独自の「行為理論」を構築。また、その方法論を「文学社会学」の領域に応用し、作家たちの文学実践の軌跡(生活史)を多元的な社会的空間との関わりの中で再構成していく研究も展開している
鈴木智之[スズキトモユキ]
1962年生まれ。法政大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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