内容説明
二世紀以上にわたりフランスに存在する反米的表象の歴史をひもとき、その分析によって、今やグローバルな現象となった反米主義の本質、集団的確信のメカニズムを考察。他者を否定することによる間接的な自己肯定=奴隷道徳への警戒を促す。
目次
プロローグ この「不運な世界」―啓蒙主義の反‐米
第1部 ヤンキーの抑えがたい上昇(軽蔑の時代;アメリカ非合衆国;ミス・リバティと聖像破壊者;ハバナからマニラまで―アメリカ人のための世界?;ヤンキーとアングロ‐サクソン;人種のポートレート;「敵の血が流れる人々」;トラストの帝国―社会主義か封建制か)
第2部 聖職者の偏見(もう一つのマジノ戦;衰退に直面して―ガリアの砦か、それともヨーロッパの緩衝地帯か?;負債から従属へ―ペリション・コンプレックス;メトロポリス、コスモポリス―フランス的なものの擁護;人間の擁護―反米主義はヒューマニズムである;精神の反乱、文化の闘争、同業者組合の擁護)
著者等紹介
ロジェ,フィリップ[ロジェ,フィリップ][Roger,Philippe]
1949年、フランス・ブールジュに生まれる。高等師範学校出身。現在、国立科学研究センター(17・18世紀のフランス語フランス文学研究センター/パリ‐ソルボンヌ)、および社会科学高等研究学校の研究指導教授。そのかたわらでアメリカ・ヴァージニア大学とニューヨーク大学の教授を兼務している。『アメリカという敵―フランス反米主義の系譜学』(スイユ社、2002。スイユ社(ポワン叢書)、2004。2003年の“今日賞”受賞。英訳は2005年のグールド財団および仏米財団賞受賞)
大谷尚文[オオタニナオフミ]
1947年に生まれる。東北大学文学部卒業。現在、石巻専修大学教授
佐藤竜二[サトウリュウジ]
1971年に生まれる。弘前大学人文学部卒業。ベルギー政府給費留学生としてブリュッセル自由大学に留学。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位取得認定退学。専攻:フランス文学、ユダヤ思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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