内容説明
ロマン主義的“スペイン神話”に導かれて旅した青年ゴーチエが見たものは…。1840年、5か月にわたって旅したスペインの生活や風俗・習慣、建築や絵画・彫刻、芝居や女性の服装、さらには動物や昆虫の生態までを軽やかでユーモラスな文体で綴った紀行文学の古典。訳者による解説「夢の旅」を付す。
目次
パリからボルドーへ
バイヨンヌ
人身密輸入
従者と猟銃を持つ男たち
イルン、小さな乞食たち
アスティガルラガ
ベルガラ
ビトリア、民族舞踊とフランス人の怪力男
パンコルボ渡航
驢馬とグレーハウンド犬〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sekitak
1
1840年にスペインを旅したフランス人の旅行記。ルートはフランス経由でイルンからスペインにはいり、マドリッド、マラガ、を回ってバルセロナから船でフランスに戻るというもの。スペイン旅行後に読み終えたが、写真のない時代の旅行記はいろいろと想像をかき立てられるものが多く楽しい。また、実際に目にしていると絵が浮かぶ場面も多く、翻訳自体もいいと思う。スペインに行ってまた行きたいと思うような人にはおすすめ。2012/11/04
ゆり
1
やはりゴーチエの風景描写はたまらない。この本に限らず、本を閉じ伏せていた目を上げると、其処に今まで耽っていたその幻想がそのまま立ち現れるかのような、綿密で印象深い描き方をする。うまい…と思わず呻ってしまう。ゴーチエの、その目に映る鮮やかな世界を余すことなく味わうことの出来る一冊だと思うので、ゴーチエの風景描写が好きな人はぜひ。田辺さんの訳を好んで読む私には、前半の訳を残念と思わざるを得なかったが、後半になるにつれて筆が追いついてくるのが見て取れるので、それを楽しむのも一つかもしれない。2012/05/31
コマイヌ
0
期待通り頭すっからかんで読めるオリエンタリスムたっぷりの本だったけど間違ってそうだから19cフランスの知識としてそのまま受け取って調べなくていいとは予想以上だった。2015/08/21
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