出版社内容情報
文学世界の根底構造,批評の社会的機能,文章と視覚芸術,聖書の文学的形態,さらにはモリス,ヴァーグナー,ジョイス論におよぶフライの批評活動を締め括る精髄。
内容説明
西洋文学の根底を織り成す神話とメタファー、シンボルなどの分析をはじめ、批評の社会的機能、文学と視覚芸術、聖書の文学的形態を講じ、カスティリョーネ、ヴァーグナー、ジョイスの作品論に及ぶ、20世紀を代表する文学理論家フライの多彩な批評世界とその精髄。
目次
コイネーとしての神話―普遍的に理解可能な言語としての神話
ポストリテレト世界における文学研究と言語学
交換手段としての象徴
詩における“エロース”の生存
ここからの眺め
枠組みと仮定
信仰とヴィジョンの弁証法
暗喩の拡大しつつある世界
批評家の責任
生命と習性についてのいくつかの省察〔ほか〕
著者等紹介
フライ,ノースロップ[フライ,ノースロップ][Frye,Northrop]
1912年カナダのケベック州生まれ。20世紀屈指の批評家。トロント大学ヴィクトリア・カレッジで哲学・英文学をまなび、オックスフォード大学に留学。帰国後1939年から母校で英文学を講じ、1948年同校の教授、1952‐59年には学長を務めた。1967年フライのために創設されたトロント大学英文学教授に就任、1991年に死去するまでそのポストにあった。1976年にアメリカ近代語協会会長に就任。西欧文学の構造原理を分析・解明し壮大な批評体系を構築した『批評の解剖』(1957)によって文学理論家としての地位を確立させ、その後『同一性の寓話』(63)、『世俗の聖典』(76)、『大いなる体系』(80)、『力に満ちた言葉』(90)などを発表、聖書と文学に関わる研究分野をはじめ、その影響力は広く波及している
高柳俊一[タカヤナギシュンイチ]
上智大学文学部英文科卒。米国ニューヨーク市、フォーダム大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。上智大学名誉教授
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