叢書・ウニベルシタス
近代の観察

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  • サイズ B6判/ページ数 219,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588007668
  • NDC分類 361
  • Cコード C1336

出版社内容情報

近代社会における相対化された外的観察者の存在を否定し,その内部を通した観察による自己記述の可能性を探る。ルーマン理論の原型的な発想を縮約する論集。

内容説明

「機能分化」「閉鎖性」の概念を軸に現代社会における諸システムの比較・解明を試み、未来の可能性を探るルーマン晩年の関心を縮約する論集。

目次

第1章 近代社会における近代的なるもの
第2章 ヨーロッパの合理性
第3章 近代社会の固有値としての偶発性
第4章 未来の記述
第5章 非知のエコロジー

著者等紹介

ルーマン,ニクラス[ルーマン,ニクラス][Luhmann,Niklas]
1927年ドイツのリューネブルクに生まれる。1968‐1993年ビーレフェルト大学社会学部教授。70年代初頭にはハーバーマスとの論争により名を高め、80年代以降「オートポイエーシス」概念を軸とし、ドイツ・ロマン派の知的遺産やポスト構造主義なども視野に納めつつ新たな社会システム理論の構築を試みる。90年前後よりこの理論を用いて現代社会を形成する諸機能システムの分析に着手、その対象は経済、法、政治、宗教、科学、芸術、教育、社会運動、家族などにまで及んだ(それらを扱った著書の多くは法政大学出版局より翻訳刊行予定)。1998年没

馬場靖雄[ババヤスオ]
1957年、新潟県生まれ。1988年、京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、大東文化大学経済学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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鵐窟庵

7
ルーマンは、「オートポイエーシス」や「自己言及性」といった社会システム理論が有名だが、本書も同様に、観察者の区別と指示による観察を通して、社会に見られる様々なシステムを記述している。その際に観察者は、あるシステムの形式のなかへの形式へ再参入することを通して、自己再帰的にのみ観察しうる観察不能性の不透明さを持っている。その不透明さは、社会的に組織論へと敷衍されて、不確実性への対処として、「機能分化」や「因数分解」といった責任論を展開している。そこから近代の時間形式、未来への蓋然性といった議論へ発展していく。2020/04/15

nobby

0
要再読。再帰的に作動する現代社会は、近代の分化した社会機能の産物である。諸領域における作動が複雑に連関することで、システム運動の独立性の度合いは増大する。こうした社会に対する「観察」は、理性、道徳、倫理、宗教などの「最終解決」を想定できない。観察者は観察される。観察者は一つの「区別」を基にした「知」において観察する点で、ある一つの区画を占めるのみであり、そうした「区別」を軸にした「知」は、システムの作動上「非知」の領域を生み出さざるをえない。「非知」とは観察者が拠って立つ「区画」への盲目のことである。2012/06/15

じょに

0
凄い面白かった気がする。内容覚えてない(笑)

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