出版社内容情報
哲学において〈導入〉は可能かという問題意識の下にヘーゲル『精神現象学』の成立史を精微に辿り直し,フルダ - ペゲラー論争として一大論争をまき起した問題の書。
内容説明
ヘーゲル『精神現象学』の形成過程を精緻に辿りつつ『エンシュクロペディー』の体系(論理学―自然哲学―精神哲学)への導入としての要素を分析し、体系構想に位置づける。ドイツ哲学界に一大論争をまきおこした問題の書・待望の全訳。
目次
第1部 ヘーゲルの導入構想(『エンツュクロペディー』における導入の主題設定;導入としての現象学)
第2部 導入の体系的基盤(導入の基盤の歴史的規定性;学と、導入の必要性の根拠)
著者等紹介
フルダ,ハンス・フリードリッヒ[フルダ,ハンスフリードリッヒ][Fulda,Hans Friedrich]
1930年ドイツのシュトゥットガルトに生まれる。ハイデルベルク大学、フランクフルト大学で学んだ後、1961年にヘーゲル『精神現象学』に関する論文で博士の学位を取得し、その研究を仕上げて1965年に『導入としての現象学』を刊行した。さらに1969年にパースに関する論文で教授資格を取得。同年ハイデルベルク大学講師になり、74年に同大学の員外教授、ビーレフェルト大学正教授となる。82年から95年まではハイデルベルク大学正教授の職にあった。この間、ヘンリッヒのあとを継いで、国際ヘーゲル協会の第三代会長をつとめる。1990年秋に訪日し、東京、仙台、京都で講演を行なった
久保陽一[クボヨウイチ]
1943年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程修了。文学博士。現在、駒沢大学文学部教授
高山守[タカヤママモル]
1948年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士過程中途退学。文学博士。現在、東京大学文学部助教授
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