出版社内容情報
ドゥルーズの思考に現れた〈美学〉的言説を再構築する試み。その美学思想を砂漠に描かれる精妙な風紋をイメージしつつ新たな視点からジル・ドゥルーズを解読する。
内容説明
砂漠に描かれる精妙な風紋をイメージしつつその思考の中の美学的言説を再構築。
目次
第1部 ジル・ドゥルーズの理論的・実践的思想における形態(形態概念の理論的・実践的地位;了解可能性;基盤)
第2部 ドゥルーズ美学における形態(絵画美学;音楽美学;結論)
著者等紹介
ビュイダン,ミレイユ[Buydens,Mireille]
ブリュッセル大学、ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー)で情報メディア法を講ずる哲学者・法学者。本書の原型となった論文によってブリュッセル大学で哲学博士号を取得。インターネットなど新しいメディアにおける知的所有権の保護を専門とする研究者でもある。『鏡の中のイメージ:マニエリスム思想についての考察』、『イメージ:ドゥレーズ、フーコー、リオタール』(以上未邦訳)などの著書がある
阿部宏慈[アベコウジ]
1955年宮城県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程中退。20世紀フランス文学および表象の理論を専攻。現在、山形大学人文学部教授(フランス文化論、表象文化論)。著書:『プルースト 距離の詩学』(平凡社)。訳書:J.デリダ『絵画における真理/(上・下)』(上巻は共訳、法政大学出版局)
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感想・レビュー
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Bevel
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第一章には、ドゥルーズ存在論のまとめ。第二章は、芸術論のまとめ。という本の内容。面白いところは、訳者も、ドゥルーズ自身も言ってるけれど、形態(=個体)という概念がドゥルーズのなかでいかに両義的かを描いた点だと思う。あと、形態が組み合わさるとき、つまり出来事があるとき、アレンジメントが変わるから、形態そのものは現前しながらも超越論的領野という外にたえず関わる。けれど一方で、形態が可能になる権利としても、内包量=カオスという相互規定存在からなる多様体も必要だ、という、個体化の問題のまとめ方はよいなあと思った。2011/11/01
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