出版社内容情報
個人の時代が到来し,共同性を支える伝統的世界が失われた現代,初期の美学(カント,ヘーゲル,ニーチェ)を考証して感性の政治性の問題を問うフェリーの代表作。
内容説明
個人の時代の到来とともに、共同性を支える伝統的世界がもはや失われてしまった現代、その初めから「世界」の可能性を問い続けてきた美学思想史、あるいはアヴァンギャルドの盛衰を検証して、民主主義的個人主義・近代的主体の歴史を辿り直すフェリーの代表作。
目次
第1章 趣味の革命
第2章 心情と理性の間
第3章 カント的契機―反省の主体
第4章 ヘーゲル的契機―絶対的主観あるいは芸術の死
第5章 ニーチェ的契機―破砕された主体と現代美学の到来
第6章 アヴァンギャルドの没落―ポストモダンの本性
第7章 美学の時代における倫理の問題
付録1 ランベルトの『現象学』―紹介並びに第1章と最終章の翻訳
付録2 バウムガルテンの『美学』―冒頭部分および美的真理についての章の翻訳
付録3 非ユークリッド幾何学の視覚的表象
著者等紹介
フェリー,リュック[フェリー,リュック][Ferry,Luc]
1951年生まれの現代フランスの哲学者。カーン大学教授。『エコロジーの新秩序』(92、メディシス賞)などの著作がある
小野康男[オノヤスオ]
1953年生まれ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了(芸術学専攻)。横浜国立大学助教授
上村博[ウエムラヒロシ]
1963年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程中退(美学専攻)。京都大学助手、パリ大学研究員を経て、京都造形芸術大学助教授
三小田祥久[ミコダヨシナガ]
1964年生まれ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了(哲学専攻)。パリ第一大学第三課程在学中
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