出版社内容情報
育てる,教える,学ぶという行為を,混沌の海から複雑なコミュニケーションの網目を解きほぐして独自の多様体を紡ぎ出す創造の営みとして提示する人類学的教育論。
内容説明
今日「教育」とよばれる人間の営みを自らの体験と思索を通して考察し、育てる、教える、学ぶという行為を、混沌の海から複雑なコミュニケーションの網の目を解きほぐして独自の多様体を紡ぎ出す創造の営みとして提示する人類学的教育論。ミッシェル・セール創造のための教育論。
目次
育てる
教える
教育する
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
知恵は育むのであり教えるのではない。一方で知恵は絞るものだが、解くために絞るのである。それゆえ教えることは危機に自らを立たせ、自らに相応しい新たな知恵を生み出す危機へ誘うことになるだろう。本書は、紀元前のギリシャの賢者たちが幾何学によって表現できない不合理(無理数)を背理法を駆使する過程で発見し、代数学が創設される契機を作った歴史を示しつつ、既知の知識を伝達可能な言葉で伝える教育とそのような知識でできた世界の狭隘さを批判する。教えることは、言い得ない何かを前に自らと世界を変容させようと共に踏み出すことだ。2024/09/05




