出版社内容情報
内部の根源的経験によって歴史と文明に対峙し,あらゆる幻想やユートピアを峻拒した自由人シオランの知られざる生涯と思想の軌跡を19人との対話が初めて明かす。
内容説明
内部の根源的経験によって歴史と文明に対峙し、あらゆる幻想やユートピアを峻拒した自由人シオランの知られざる生涯と思想の軌跡を19人との対話がいま初めて明かす。
目次
フランソワ・ボンディ
フェルナンド・サヴァテール
ヘルガ・ペルツ
ジャン‐フランソワ・デュヴァル
レオ・ジレ
ルイス・ホルヘ・ハルフェン
ヴェレーナ・フォン・デア・ハイデン‐リュンシュ
J・L・アルミーラ
レア・ヴェルジーヌ
ゲルド・ベルグフレート〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
5
本書の中でシオランが何度も、意外なことに私の書籍に救済を得た人も多い、と書いていて深く納得。誰よりも深く果てしない悲観と絶望を描いたシオランだからこそ、世の中に疲れ、苛立つ時に読むとどこか悟りに近いだろう感覚がすーっと吹き抜けて最高の精神清涼剤になります。本書は対談集というよりインタビュー集で、シオランの自伝的著作にもなっています。母にお前など中絶すればよかった、ただの偶然の産物と言われてむしろ安心し心の平穏を得たとは凄まじさを感じる一方、シオランらしくて思わず頷いてしまいます2011/08/07
預かりマウス
2
シオランの著書は何冊か読んできたが、8割は意味不明で何が言いたいのかよくわからないような内容だった。本書はシオランへのインタビュー集であり、シオランの真意、意図するところがはっきりした形でわかるようになっている。シオランの人生における重要なエピソード、例えば5歳で倦怠を発見したこと、トランシルヴァニアの山村から引き離された時のこと、20歳で不眠症になって絶望し母親に「中絶すべきだった」と言われた時のこと、が繰り返し語られる。印象的だったのが、オーストリアのエリザベート皇后を主題としたインタビュー。2025/08/31
Ryosuke Tanaka
2
生を呪うことで逆に生きていける、自己治療というスタンスで物を書いているということで、アフォリズムの悲痛さ(ヤケクソさ)に対して、シオラン本人は実にあっけらかんとしている。どこかでトム・ヨークが「悲観的な歌詞でもそれを歌として人前で歌うのは結局はおプチミスティックな行為」みたいなことを言っていたのに通じると思った。こういうスタンスに対して「全てに否定を突きつける思想はファシズムに繋がらないか(自己治療に他人を巻き込んで無責任ではないか)」というドイツのインタビュアーの問が対談集中で最も芯を食った批判だった。2022/06/05
ず
2
変人すぎて嬉しくなってくる。2014/07/19
tkm66
1
〈祖国とは母語である〉か・・。2024/10/14
-
- 電子書籍
- Motoジム! 4