出版社内容情報
第33回日本翻訳文化賞受賞 大シベリア街道1万3000キロを踏破し,流刑者たちの惨状とシベリア大地の息吹を伝え,国際的な反響を呼んだ大旅行記。世界初の完訳。
内容説明
1885‐86年、帝政ロシアが地の果てに追いやった流刑者たちの実態を探るため、ケナンと画家フロストは、酷暑と厳寒、そして悪路をものともせず、大シベリア街道をカラまで分け入った。本書はその紀行・報告であり、流刑制度の矛盾と流刑者たちの肉声、シベリアの多彩・勇壮な風景、諸民族の生活と風俗を生き生きと伝えて、流刑制度の改善及び欧米のロシア・シベリア観の形成に大きく貢献した。原著完訳に文献目録・解題と付論・索引・関連資料を付す。
目次
サンクト=ペテルブルグからペルミへ
シベリアの境界を越えて
トボリスクの花咲き乱れる原野
チュメニの囚人移送監獄
シベリアの囚人船
駅逓旅行の第一印象
キルギスの一大ステップ
政治的流刑者との最初の出会い
アルタイ山の馬道
政治的流刑者の二つの入植地〔ほか〕