出版社内容情報
人は,なぜサッカーによって興奮するのか。社会学が従来無視してきたスポーツにはじめてメスを入れ,感情と暴力の社会学を独自の〈文明化の理論〉の中に定位する。
内容説明
「文明化の過程」における「興奮」の動態を分析するスポーツと余暇の社会学。
目次
第1章 余暇における興奮の探求
第2章 自由時間のスペクトルにおける余暇
第3章 社会学的問題としてのスポーツの発生
第4章 スポーツと暴力に関する論文
第5章 中世と近代初期のイギリスにおける民衆のフットボール
第6章 特にフットボールに関するスポーツ集団の力学
第7章 近代スポーツの力学―業績争いとスポーツの社会的意味に関する見解
第8章 スポーツにおける社会的結合と暴力
第9章 フットボールの試合における観客の暴力―社会学的説明をめざして
第10章 男性の領域としてのスポーツ―男性のアイデンティティの社会的源泉とその変容に関する見解
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
manabukimoto
1
★★★★/5 人は、なぜサッカーによって興奮するのか。エリアスは社会学において初めてスポーツを学問的に考察した社会学者。野蛮な身体の闘争は非暴力化のルールを整えることで近代スポーツとして社会の中で位置を得る。しかし自己抑制出来なければスポーツは簡単に暴力に傾く。なぜならそもそもスポーツは暴力性を内包しているから。ナショナリズムや社会的なストレスの発散に利用される。挙げ句の果ては今夜の渋谷や道頓堀の乱痴気騒ぎ。青いユニフォームに1ミリも心が動かない私からしたら不思議で仕方がない。文明化への逆行を観る。 2013/06/05