出版社内容情報
マダガスカルのメリナにおける割礼の儀式を詳細に記述し,その構造を歴史的に分析しつつ,社会経済的な過程と関係し,変化し,持続するメカニズムを明らかにする。
内容説明
マダガスカルのメリナにおける割礼を歴史的に構造分析し、社会経済的な過程と関係し/変化し/持続するメカニズムを明らかにする。モーリス・ブロック社会人類学の再構築。
目次
第1章 儀礼の社会的決定
第2章 背景としてのメリナの政治・宗教史―1770―1970
第3章 メリナの社会組織と宗教の背景
第4章 割礼儀礼の記述と予備的分析
第5章 割礼のシンボリズム
第6章 割礼の起源にかんする神話
第7章 割礼の歴史
第8章 歴史のなかの割礼儀礼―イデオロギーの転換の理論に向けて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
★★★★★
2
ひさびさの一般書籍。これはマダガスカルの割礼儀礼に関する報告と分析です。儀礼の本質を捉えそこなう機能主義と、儀礼と社会の関わりを等閑視する象徴論を同時に乗り越えるべく、本書では対象の儀礼に綿密な象徴分析を施した上で、その歴史的な変遷(の少なさ)を追うという手法が取られています。構造そのものではなく、その実際の変移の相を捉えてゆくという視点は、意外とありそうでなかったような感じがしました。なかなか興味深かったですね、長いけど。2010/06/06
生きることが苦手なフレンズ
0
マダガスカルに住む、メリナの人たちの割礼儀礼に、歴史的な、機能主義的な分析や象徴分析を行い、最終的にはこれらの分析を統合させることで、行為でも言明でもない、その中間にある儀礼を描こうとした本、なんですかね。正直、わかりにくい感じでした。「この世」と出自による秩序の対立みたいな見方は分かるところもありました。自然の力を排斥し、その後、暴力で人間が制御できるものとして再導入するという儀礼の過程、秩序と時間の中で生きているから故の服従、みたいな、暴力と服従についての考察も参考になります。2013/05/25
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