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出版社内容情報
スピノザ哲学における〈表現〉の概念の重要性を徹底的に究明,スピノザを静的と捉える従来の解釈を逆転させその力動的性格を全面的に考察した,研究の革新的指標。
内容説明
スピノザ哲学における《表現》の概念の重要性を徹底的に究明し、スピノザを静的なものと捉える従来の解釈を全面的に逆転させその哲学の力動的性格を余す所なく考察したスピノザ研究の革新的指標。
目次
序論 表現の役割と重要性
第1部 実体の三つ組(数的区別と実在的区別;表現としての属性;属性と神の名称;絶対者;力)
第2部 平行論と内在性(平行論における表現;二つの力と神の観念;表現と観念;非十全性;デカルトとスピノザ;表現の内在性と歴史的要素)
第3部 有限様態について(様態の本質、無限から有限への移行;様態の存在;身体は何をなしうるか;三つの秩序と悪の問題;倫理的世界観;共通概念;第三種の認識に向かって;至福)
結論 スピノザにおける表現の理論(哲学における表現主義)
付録 『エティカ』の計画とこの計画が実現された際の注解の役割についての形式的研究―二つの『エティカ』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またの名
14
実体という自然全体が延長や思惟などの諸属性において自らを表現し、諸属性も属性から成り立つ個々さまざまの諸様態の中で自らを表現し、個々の様態は他の事物に触発されることで属性が変様する仕方を表現する、と高密度の議論でフルアクセル発進。表現される本質を理解するための方法は最初から高度で一般的ではなく、自分の身体とぶつかってくる身体とが構築する関係を、そこから生まれる喜びと悲しみに誘われて共通概念の下に捉えることから始まるとする。神秘的啓示も命令もなく、ヒエラルキーを排した全てが等しい一義性だけがある表現の宇宙。2018/01/29
有沢翔治@文芸同人誌配布中
3
僕なりにこの本のねらいを解説してみます。(一)スピノザをライプニッツ、デカルトに至る理性(神や善悪)をめぐる哲学史の中に組み込もうという試み。ここで挙げられているスピノザの著作は『知性改善論』で『エチカ』も少し出てきます。(二)そしてその上で理性(神や善悪)を解体しようという試みです。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51128771.html2010/10/23
tottoro
0
ドゥルーズのスピノザ論。表現(または力)という概念を中心にした論。 肯定の哲学としてのスピノザを提示しており、ドゥルーズ自身の哲学におけるスピノザの影響を見ることも出来る。 実に喜びに満ちたスピノザが打ち出されているのではなかろうか。2011/04/21