出版社内容情報
アメリカ大陸征服史に関する記録・文献を通して文化における対他関係の変遷を記号学的に解読し,征服戦争と植民地支配を西欧近代の他者喪失過程として捉えなおす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
T. Tokunaga
4
微に入り細を穿つという体の記述であり、特にその細部へのこだわりには、本書でも扱われているベルナルディノ・デ・サアグンと、メキシコからの帰国以降のラス・カサスの至った他者理解への欲求をなぞったものが見受けられる。もちろんアステカ王国にもマヤ族にも好意は見せず、むしろ天然痘を移入した責任を必ずしもスペイン側に負わせない、コロンブスやコルテスの博物学的な評価を行い、その文脈で彼らはインディオを物扱いしていたと考えるなど、現在の見方とは随分異なる。ただ、やはりルネサンス研究を考えるなら読むとよいだろう。2025/06/16
☆☆☆☆☆☆☆
0
非常に読みやすく、一息に読了。全く異質な他者に出会ったとき、人は相互をどのように解釈し、それを展開(転回)させてゆくか。今でいえば戦力の低い宇宙人が住む星をすぐそこに見つけるようなものだから、やっぱり西洋人は同じことを繰り返すような気がするなぁ。2013/09/21
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