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出版社内容情報
東方ユダヤ人として祖国の没落を真摯に描き、民族主義・国家社会主義を鋭く批判しつづけたその魂と行動の軌跡を示す、表題作ほか2篇を収む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
7
ロート氏とは誰だろう(「ラデツキー行進曲」の作者だったとは。未読)。19世紀末、オーストリア・ハンガリー二重帝国東部、ガリシア州国境付近の町で正統ユダヤ人の家に生まれる。読んでいて収録作が書かれた時点に興味がわいた。イスラエル建国前。第一次大戦後からヒトラー台頭までの間。氏は第二次大戦勃発前にドイツからフランスに逃れて客死。非常にニッチだ。「その後」を知る私は「たられば」を想起する欲望に勝てない。文章が劇的に変化したのではと。表題作では東部ユダヤ人の市井の様子が窺える(「牛乳屋テヴィエ」の世界ですね)。 2017/12/09