目次
序 大仏開眼
1. 大仏造立
2. 奈良朝の東大寺
3. 法華堂と安置諸像
4. 二月堂修二会と本尊
5. 平安朝の東大寺
感想・レビュー
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chang_ume
9
1986年刊。東大寺研究の基本文献として今も価値を失わない一冊。金鐘山房にさかのぼる創建経緯から中世治承の兵火まで。鐘楼・大仏殿・戒壇院の立地が同一尾根に並ぶ旧地形の紹介(東大寺もそうですが、森蘊氏の測量は意外と学史で大事にされていないような)、二月堂改造と修二会の関連、法華堂諸仏の来歴などについて、項目が多岐にわたりながらてきぱきと解説を加えていく。創建期大仏殿の建築空間自体が「蓮華蔵世界」を表現との理解は、現状の近世大仏殿との比較を交えて深めていきたいテーマです。2020/08/18