内容説明
唐宋期を中心とする中国文学およびその影響下で生み出された日本漢文学について、多くの注目すべき研究成果を発表してきた村上哲見。これまで単行本未収録であった二十二編の論考を、「中国詞論」「中国文人論」「日本漢詩論」に分類して収載。幅広い知見と深い読解と考察により研究を領導してきた泰斗による珠玉の論文集。
目次
第一部 中国詞論(中国韻文史序論簡説;中国の韻文文学諸様式の相互関係について;花間詞の声律;燭背・灯背ということ―読詞瑣記;李〓の詞におもうこと;南宋の文人たち―姜白石をめぐって;思惟の人と行動の人―朱子と辛稼軒の交遊;『詞律』の著者、万樹について;毛沢東主席の詞)
第二部 中国文人論(白居易と杭州・蘇州;白居易の杭州赴任をめぐって;東坡詩札記―「鄭州西門」について;詩にみる蘇東坡の書論;蘇東坡と陸放翁;皇帝と文房趣味)
第三部 日本漢詩論(『懐風藻』の韻文論的考察;『三体詩』の抄物;許六『和訓三体詩』をめぐって;『唐詩選』と嵩山房―江戸時代漢籍出版の一側面;江戸時代の漢籍出版;江戸時代出版雑話;漢詩の魅力―夏目漱石と漢詩)
座談会 先学を語る―村上哲見先生―
著者等紹介
村上哲見[ムラカミテツミ]
1930年7月、中国大連に生まれる。奈良女子大学教授、東北大学教授などを歴任。東北大学名誉教授。文学博士(京都大学)。日本学士院賞・恩賜賞受賞、瑞宝中綬章受章。2022年3月逝去
浅見洋二[アサミヨウジ]
大阪大学大学院人文学研究科教授。文学博士(京都大学)
松尾肇子[マツオハツコ]
立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所客員研究員。文学博士(奈良女子大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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