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内容説明
言葉が話せず、指を噛むという自傷行為を続ける息子。父親は様々な自閉症治療を試すが効果は見られない。苦しみと絶望の中、父親は粘り強く息子と向き合う。その祖母もまた、障がいを持つ夫と長男を持ち、文化大革命中の障がい者への差別や暴力という困難の中で、家族を支え続けてきた。中国の大江健三郎とも言われる作家が実体験に基づき、苦難に満ちた十数年の道程を綴った感動のノンフィクション小説。現在中国の世相と社会問題をリアルに描き出した受賞作。
著者等紹介
普玄[フゲン]
1968年生まれ、湖北省谷城県の人。中国作家協会に所属する作家。2017年文学誌『収穫』ノンフィクション小説賞、2018年第三回施耐庵文学賞、2019年第二回呉承恩長編小説賞を受賞
倉持リツコ[クラモチリツコ]
1963年生まれ。(公財)文化・国際交流財団職員、司法通訳人、翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
39
息子の、そして父の障害ー時代が違っても国が違っても、生涯を持つ人への支援は本当に乏しく、家族任せなところも多いんだなあ…としみじみ感じました。中国の小説が持つ赤裸々で力強い表現は、泥臭くもたくましい人間の底力を感じさせてくれます。息子の自傷による傷がひどい指。そのイメージはずっと、もの言えぬものの持つ苦悩の象徴として、心に残ると思います。2024/08/21
ジャスミン
4
P.245 息子と一緒に 息子の世界を 探索し続けることが 自分の世界を 見いだすことにもなるということに気づいた。 赤裸々な文章が胸を打つ。 センターラインを見ながら、進んだ先に何があるのか、何をみつけるのかは人それぞれ。答えはいらない 2023/04/22
瀬々
3
自閉症の息子を持つ父親の視点がメインの第一章と第三章、父親の母親の視点の第二章からなる一冊。痛むだろうとされている指は息子が噛み続けてしまう指だし、特に母親にとって子供は自分の指のようなものだという描写もあって意味がいくつも重ねられている。映画の作成が進められているらしいので公開されたら見てみたい。2023/05/12
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