内容説明
ことばの地域差や地理的変異は、なぜ、どのように成立するのか。ある方言を他の方言から独立した絶対的な存在であるとみなす方言学に対し、方言はあくまでも連続的な様相を示す相対的な存在であると考える、「方言地理学」。故・佐藤亮一氏が開拓・提案した方言地理学の理論から、資料の生かし方、記述方言学との融合、文化・社会と方言との関係までを、隣接する民俗学や地理学などにも資する最新の成果を結集し体系的に紹介。次世代へとつづく方言地理学の視界を照らし、ひとつの道しるべとなる一冊。
目次
第1部 方言地理学の理論(共通語化と方言地理学;方言安定期と方言地理学 ほか)
第2部 方言地理学の資料(『日本言語地図』と方言地理学;『方言文法全国地図』と方言地理学 ほか)
第3部 記述方言学と方言地理学(形態論と方言地理学―首都圏における対格の変異を例として;テンス・アスペクトと方言地理学 ほか)
第4部 文化・社会と方言地理学(民俗語彙と方言地理学―“井戸”を表す語彙;口承文芸と方言地理学―あやしことばの地域差 ほか)
第5部 方言地理学の新分野(オノマトペと方言地理学;感動詞と方言地理学―品物を手渡す場面における感動詞の地理的分布 ほか)
著者等紹介
小林隆[コバヤシタカシ]
東北大学名誉教授。専門は方言学・日本語史
大西拓一郎[オオニシタクイチロウ]
国立国語研究所教授。専門は言語地理学・方言学
篠崎晃一[シノザキコウイチ]
東京女子大学教授。専門は方言学、社会言語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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