感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅林 健志
3
素朴な疑問から、日本美術を読み解いていく。素朴な疑問といいつつ、専門家のひとりよがりな疑問になってしまう本もあるなかで、この本は切り口がうまく、すごくおもしろかった。日本美術の歴史を一通り見通せるつくりになっているのもいい。引目鉤鼻の理由や、水墨画とは何か、風神雷神の由来などが勉強になった。2025/01/19
晩鳥
2
日本美術を対象に、どういう状況でこういう表現になったのか、どういう意味を持っていたのかということを読み解く図像学の本。分かりやすくて面白いが、欲を言えば実際の作品をもっとたくさん見ながら読めるとよかった。2024/12/28
Go Extreme
1
https://claude.ai/public/artifacts/1f34ba54-6f12-4dbf-aace-a9ff1f5c0e47 2025/06/11
kaz
1
日本美術における特定の図像やモチーフに対する疑問を取り上げ、それらの背景や意味を探るもの。麗子像の怖い顔の理由や、足のない幽霊の起源、釈迦の托胎とキリスト教の受胎告知の類似点など、具体的な事例を通じ、作品の背後にある物語や文化的背景を理解することができる。図書館の内容紹介は『観音にはヒゲがある? なぜ絵巻は右から左へみる? 写生画が写実ではない? 絵画や仏像などの様々な疑問・謎を図像解釈学(イコノロジー)から探り、日本美術の新しい楽しみ方を提案する。8トピックを追加した増補改訂版』。 2024/10/05
Shinjuro Ogino
0
読んで楽しむ美術鑑賞をモットーとしている(解説を読まないと芸術が判らないという意味)私だが、イコノグラフィーの解説書は、圧倒的に西欧美術関係が多い。本書は書名のごとく日本美術が対象だ。種々べ勉強になる。例えば釈迦如来他の如来像の構成の由来もよく判る。曼荼羅に、胎蔵界と金剛界と2つあるのは、インドから中国に伝えた人が2人いるからだ。残念なのは、写真が全て白黒なこと。全般に不鮮明で、ぼやけて判らない絵が多い。経費節約のためだろうが惜しい。索引が無いのも残念。2024/07/10