内容説明
私たちの身のまわりには多数の古建築がある。過去に建てられた建物は、歴史的・文化的に価値があるだけでなく、我々の生活環境を形成する重要な要素として存在している。古い建物を文化財として保存してゆくにせよ、改修して使い続けるにせよ、その建物の歴史的・文化的な価値を認識しておくことは不可欠である。それでは、そのための調査はどのように行うのか。寺社・民家など、古建築の歴史的・文化的価値や特質を調査する際の、調査項目・方法の要点を簡潔に解説。歴史的な建物の調査において、常に座右に置いておきたい待望の一冊。
目次
1 古建築調査の目的・手順・内容(調査の目的・手順;調査の内容)
2 現地調査(1)―調査票・実測図の作成と写真撮影(調査の前に;調査票の作成;実測図の作成;写真の撮影)
3 現地調査(2)―棟札・史料の調査(棟札;金石文・墨書;文献史料)
4 調査報告書の作成(報告書作成の意義;報告書に何を書くか)
著者等紹介
山岸常人[ヤマギシツネト]
昭和27年(1952)生まれ。京都大学名誉教授・京都府立大学文学部特任教授。工学博士
岸泰子[キシヤスコ]
昭和50年(1975)生まれ。京都府立大学文学部歴史学科准教授。博士(工学)
登谷伸宏[トヤノブヒロ]
昭和49年(1974)生まれ。京都工芸繊維大学デザイン・建築学系准教授。博士(工学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
19
古建築調査に必要なノウハウを基礎から詰め込んだ、まさにハンドブック。調査の許可、実測の方法、写真の撮り方そして最後はお礼に報告書をきちんと差し上げるんだぞ!と、言うマナーまで、古建築を学ぶ学生に与えるに相応しい本。考古・文献・民俗の学生って、分野を問わずみんなコクヨの測量野帳使っていたよな。などと、懐かしい思い出に浸った。専門が何の関係もないぬこ田がこの本を購入したのは、気の利いた建築物の写真を撮りたいという、その一心からである。2021/09/19
アメヲトコ
4
21年7月刊。歴史的建築の調査を行うさいの手順、野帳の書き方、撮影のポイントなどを解説した一冊。コンパクトな体裁に要領が的確にまとまっているので使いやすそう。調査票のpdfは勉誠社のサイトからダウンロード可(パスワードは本書内に記載)。2021/08/09
RyoShun
1
棟札:建物の建設や修理に際し作成された木札2022/01/16