内容説明
「貫高制」「六斎市」「撰銭令」「石山合戦」「刀狩り」「惣無事令」「海賊取締令」…現在の私たちが考える戦国時代のイメージや研究の通説の根幹を、斬新な分析視角により描き出した歴史家・藤木久志(一九三三~二〇一九)。「村と民衆」「在地法と平和」という二つの柱から、それまでの中世史・近世史像を一変させた藤木久志の研究と人物は、いかなる史学史的位置づけを有するのか―日本史のみならず、民俗学・環境史・文学・西洋史など諸学との交差のなかで展開した藤木史学の軌跡を多角的に検討、藤木久志が見据えようとした歴史像とその学的視座の継承のためのバトンをつなぐ。
目次
第1部 村と平和―藤木史学が描き出した世界(藤木史学から今何を学ぶのか;一向一揆に映る民衆世界―藤木久志の一向一揆論;ふたつの戦国時代像―藤木久志と勝俣鎭夫の学説をめぐって ほか)
第2部 人柄と交流―同時代の証言から(インタビュー 「自力の村」論の成り立ちに学んで;藤木久志先生と一緒に生きた時代;「市民一揆のシンポジウム」から「領主のつとめ」論へ ほか)
第3部 諸分野との交差―災害史・地域調査・民俗学・文学・西洋史(藤木久志の災害史研究を考える;藤木史学における地域調査の実践―長岡市史の事例を中心に;藤木久志の「自力の村」と民俗 ほか)
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- 和書
- OD版 西山宗因全集 2