内容説明
研究概念の構築から射程の拡大、そして文書実践論へ。中世の地域社会における文書利用の実態を、中央の権門からではなく、荘園・公領の現地の視点から総体的に把握するために二〇一四年に提起された研究概念「地下文書」。「地下文書」は日本中世史研究の諸領域の中でどのように位置づけることができるのか。荘園制研究、村落史研究、都市・商業史研究、在地領主研究など様々な分野にこの研究概念を適用することで見いだされる論点や課題を提示する。さらに、文書実践の観点から論じた実証研究の成果に加え、隣接分野から地下文書論を評価する論考も掲載。中世地下文書論の成果と課題を体系的に論じ、その方法論・研究実践の到達点と今後の展望を示す。
目次
序論 中世地下文書論の方法序説
第一部 日本中世史研究と地下文書(荘園制研究と地下文書;村落史研究と地下文書;都市史・商業史研究と地下文書;中世一揆研究と中世地下文書;在地と地下のあいだ)
第二部 中世地下社会の文書実践(地下文書の分類と機能;中世売券にみる文書実践;在地寺社文書にみる文書実践―遠江国「大福寺文書」を事例として;帳簿にみる地下社会と地下文書;地下文書にみる中世文書の“社会化”―人身売買文書を素材として;地下文書の生成・変容と権力秩序―近世地方文書への道程)
第三部 隣接分野からみた地下文書論(近世における地下文書論;伝承文学研究からみた地下文書論;歴史民俗学からみた地下文書論;西欧中世の「普通の文書/灰色の文書」論―自治体会計簿を中心に)
著者等紹介
春田直紀[ハルタナオキ]
1965年生まれ。熊本大学大学院人文社会科学研究部教授。専門は日本中世史(生業論・史料論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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