内容説明
神仏習合時代の鎌倉の鶴岡八幡宮は、別当(社家)・供僧(院家)・小別当・神主・社人によって構成される寺院であった。なかでも、社僧・伶人・巫女・神官・大工棟梁などそれぞれの専門職能(家職)をもって奉仕した社人たちは、八幡宮の聖と俗の境界領域をまたぐ場で公私に及び活動し、長く一つの独自の世界を作り出して来た。彼らの豊かな歴史と伝統は、鎌倉期だけでなく江戸期に至るまで存在した。各地・各分野に残された断片的史料から、社人たちの公私にわたる歴史的役割を具体的に明らかにし、彼らを鶴岡八幡宮のみならず都市鎌倉を下から支えた存在として改めて注目することで新たな鎌倉史像を打ち立てる。
目次
第1部 鎌倉・八幡宮史のなかの社人
第2部 中世後期における社人の活動
第3部 近世における社人の活動
第4部 雪の下の世界と社人・非社人の活動
第5部 史跡都市鎌倉の展開と社人・非社人の活動
第6部 社人の多面的な活動と軌跡
著者等紹介
佐藤博信[サトウヒロノブ]
1946年新潟県新発田市に生まれる。現在、千葉大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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