内容説明
「ジャパニーズペインター」と呼ばれる江戸時代のからくり人形は、なぜ異国に渡ったのか。からくり師、時計師、天文家、マジシャン、コレクター…交錯する人物たち。わずかな痕跡を残し消えた高度なからくり人形の謎に迫るため、近代的エンジニアの先駆け田中久重の生涯を足がかりに、からくり製作の歴史と文化創造の過程を丹念に追った一冊。貴重なからくり人形の写真を含む、約一〇〇枚の図版を掲載!
目次
序章 古い写真
第1章 ジャパニーズペインター
第2章 フェイクオートマタ
第3章 正体不明のからくり人形
第4章 日本化された機械時計
第5章 天保六年七月二四日の絵日記
第6章 田中久重の生涯(青春期)
第7章 田中久重の生涯(円熟期)
第8章 見世物稼業常世賑
第9章 旅の記録
第10章 マジックコレクターの系譜
第11章 一万ドルの挑戦状
第12章 からくり人形のオタクたち
終章 辺境の文化
著者等紹介
村上和夫[ムラカミカズオ]
1948年生まれ。フリーライター。からくり・オートマタの東西文化比較をテーマに、雑誌や図録の記事の執筆、書籍の編集などに携わり、各種講演会、放送大学特別講義などに出演。2012年に『機巧図彙』(寛政8年刊)の全文を英訳・注釈したJapanese Automata Karakuri Zui:An Eighteenth Century Japanese Automatic Mechanical Devicesを自費出版し、「2013年ニューヨークブックフェスティバル」に入賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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