内容説明
多くの記録が残され、我々の身近な人々が生きていた明治・大正・昭和。現在に近い時代を考証する困難性はどこにあるのか。そして、史実に沿うノンフィクションにおいても時代考証が求められるのはなぜか。近現代史とノンフィクションにおける考証実務や作品の考察から、虚構と現実の間を埋めるという重要な役割を持つ「時代考証」がもつ可能性の広がりを考える。
目次
第1部 明治・大正・昭和を考証する(近現代を描いたメディアト歴史学;NHKドラマ『負けて、勝つ―戦後を創った男・吉田茂』『白洲次郎』などを考証して;時代考証はアイデアの宝庫―近現代ドラマ制作現場からの報告)
第2部 ノンフィクションを考証する(歴史教養番組の構造と変遷;シナリオ論証を通じて;歴史番組の“歴史”―制作者の視点から)
第3部 考証の枠を拡げる(時代劇の枠を広げる―近現代を描いた時代劇メディア;近代を考証する―『足尾から来た女』での経験から;戦争を考証する;戦争を描いた時代劇メディアと歴史学;『西郷どん』の軍装・洋装考証;ビデオ機器、時間、世界観)
著者等紹介
大石学[オオイシマナブ]
1953年生まれ。東京学芸大学名誉教授、日本芸術文化振興協会幹事。専門は日本近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。