内容説明
近代日本の中国体験の研究はこれまで、戦争(上海事変・日中戦争)や事件、特定の都市(上海・大連)などを切り口として行われてきた。しかし中国の主要都市には、日本人が継続的に存在し、また仕事や観光で訪れている。それらの人々が執筆した、書籍や雑誌掲載記事は数多く存在する。一九世紀後半から二〇世紀前半にかけて、日本人は中国の都市やエリアでどのような異文化体験を積み重ね、自己や他者と向き合ってきたのか。日中共同研究により、日本語表象に映し出された中国の都市を多角的に検討し、近代日本の中国体験の全体像を浮き彫りにする。
目次
1 日本近代の中国イメージの形成(日本の中国都市体験1894‐1945;座談会 中国の都市の記憶)
2 日本語のレンズが捉えた中国北部(日本語表象と「北支」の地政学;旅順―帝国の“聖地” ほか)
3 日本語のレンズが捉えた中国中部(日本語表象と「中支」の地政学;上海―俳句に謳われた異文化 ほか)
4 日本語のレンズが捉えた中国南部(日本語表象と「南支」の地政学;厦門―はてしない路地の町 ほか)
著者等紹介
和田博文[ワダヒロフミ]
東京女子大学比較文化研究所長・丸山眞男記念比較思想研究センター長、東洋大学名誉教授。専門は文化史・比較文化・日本近現代文学
王志松[オウシショウ]
中国北京師範大学外国言語文学学院日文系教授。専門は日本現代文学・中日比較文学
高潔[コウケツ]
中国上海外国語大学日本文化経済学院教授。専門は日本近代文学、中日比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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