内容説明
現実に関わる「気」は大地に属し、人間を未来へと繋ぐコスモス的な「理」は天に属する。経済や科学技術が非人間的な形に突出し「ネオ近代」というべき現代文明において、「気」と「理」の今日的意義を、スピノザを補助線に熊沢蕃山の哲学の中に展望する。それは従来とは別の、もう一つの「日本思想」というべきものとなろう。
目次
1 内面の論理―男一匹の「気」(「気分」の文化;「気」と「好悪なき心」;自己抑制・絶対限定の論理;絶対受動・「対極」主義;蕃山と弁証法;気の美学)
2 宇宙と人間―コスモポリテスの「理」(スピノザと蕃山;死と老い;「弱さ」の価値;「孝」と「生命連鎖性 Generativity」;天と地と「農」のダイナミズム;一身同体―植物身体・植物生命論;造化賛助「鋤月耕雲の世界」)
著者等紹介
大橋健二[オオハシケンジ]
1952年、福島県福島市生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。新聞記者を経て名古屋商科大学、鈴鹿医療科学大学非常勤講師。日本東アジア実学研究会副会長、土着的近代研究会事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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