内容説明
小学校の代用教員として働いて蓄えをつくり、念願の一高進学を果たし、生涯の友と出会う次郎。兄一郎や吉原を足抜けしたおさく、幼なじみの石田や周囲の人たちと交わりながら、少年から青年へと成長する。自身の貧困と孤独、信仰など問題を深くみつめながら、文学へ目覚めてゆく。
著者等紹介
芹沢光治良[セリザワコウジロウ]
明治29年5月4日、静岡県駿東郡楊原村(現・沼津市)我入道に生まれる。楊原小学校、沼津中学校(現・沼津東高等学校)、第一高等学校仏法科を経て、大正8年東京帝国大学経済学部入学。在学中に高等文官試験に合格。大正11年東京帝国大学経済学部卒業。農商務省に入省。大正14年藍川金江(清成二女)と結婚。渡仏しソルボンヌ大学入学。留学中に肺結核を発見され、フランスやスイスで療養。昭和5年帰国後、「ブルジョア」が『改造』の懸賞小説当選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tegi
1
今まで繰り返されてきた、真に愛すべき父親的存在とかれらとの同性愛的関係性について次郎自身が言及するところに少々驚く。また、加寿子との関係に悩むなかでおそらく初めて次郎が自身を「ぼく」と呼ぶところ(p.194)も強い印象を残す。大長編ゆえのちょっとした人称のゆらぎかもしれないが。/サブタイトルの『愛』にふさわしい、次郎の人生がようやく暖かくなってきたように思える巻。2018/06/20
mak2014
0
1巻に記載済み。2015/02/10
ゆかっぴ
0
帝大生となった次郎。父親になってくれようとする田部や愛情を感じる加寿子の存在などが彼に新たな感情を呼び起こします。当時の社会情勢なども色濃く描かれていて興味深いです。2013/04/22
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