内容説明
タブーに挑戦する姿勢、ユーモアに富んだ文体、風刺とパロディにあふれたスタイル、ユニークな想像力…。性的なものに対する抑圧の厳しかった文革期を背景に、青年と女医の「ふしだら」な関係の顛末を描いて若い世代の圧倒的共感をえた表題作をはじめ、中国小説に新風を吹き込んだ夭折の奇才の代表作を収める。
著者等紹介
王小波[ワンシャオポー]
1952年、北京生まれ。1968年に農村へ下放。文革後は工場労働者、教員を経て、1984年に渡米し比較文学を学ぶ。帰国後、本格的に創作活動を展開。その作品は当初、台湾をはじめ海外の華人社会で高く評価された。1997年に心臓病のため45歳の若さで急逝したあと、中国本土でも「王小波現象」と呼ばれる大ブームが起こった
桜庭ゆみ子[サクラバユミコ]
1961年生まれ。慶應義塾大学准教授。東京大学大学院博士課程満期退学。専門は中国現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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AR読書記録
7
ひっさびさに読書メーターに感想を書くリハビリ案件としては、自分には難易度の高すぎる内容であった... とりあえず解説のここを反芻しよう。「人間であること、存在自体が重いのだ。それを何とかしのいで生きていくには重苦しさをパロディ、ブラックユーモア、諧謔をつかってギリギリのところで切り抜けていくしかない。ユーモアの精神で側面攻撃をしたところで、結果的にゆがんだ世界が浮かび上がってきたわけだ。悲劇は喜劇と紙一重だからこそ、知性を以てしなやかに喜劇の世界に飛翔する...」2019/03/30