内容説明
海のかなたに、空のはてに、夢と現実を重ねた“さみしい詩人”金子みすゞ。母を恋い慕い、独りで苦悩し続けたみすゞの詩は、わかりやすいだけのものではない。そこには人間としての成長の歴史が深くかかわっている。みすゞの人間像に実証的に迫りつつ、作品を丁寧に分析し、その詩の真の価値を童謡史・近代文芸史のなかに位置づける。
目次
みすゞの不思議、みすゞの心―巻頭エッセイ(エピソード記憶の力―みすゞと芭蕉;母恋の詩人―私の金子みすゞ観)
金子みすゞその人と文学を語る(「さみしい詩人」金子みすゞ;みすゞと「死」の世界 ほか)
みすゞの詩性とその真実―躍動する作品論へ向けて(みすゞの詩の生成とその背景―わらべ唄・和讃など;「繭とお墓」誕生の秘密 ほか)
みすゞの世紀・さみしい詩人―その作品の世界を探訪する(作品と人生に落差;母性を凌駕する孤独 ほか)
みすゞの詩の風土(仙崎の俳句風景―金子みすゞ投句箱より;下関のみすゞ風景―海峡の街を歩く)
著者等紹介
堀切実[ホリキリミノル]
1934年東京都生まれ。早稲田大学名誉教授。専攻は日本近世文学・俳文学
木原豊美[キハラトヨミ]
1944年山口県下関市生まれ。梅光学院大学生涯学習センター講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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