環境人文学
環境人文学〈2〉他者としての自然

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  • サイズ A5判/ページ数 341p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784585291299
  • NDC分類 002.04
  • Cコード C1090

出版社内容情報

動物、森、死者、サイボーグ…
他者をどのように捉え、描くのか永遠なる未知へ。
文学から歴史学、人類学、教育学、言語学を横断し、環境人文学における「他者」をめぐる最新の議論と、今後考えるべき問題を提示する。「異なる種」である動物の表象、人間外(ノンヒューマン)存在(そんざい)の表象から、贈与と負債の感情、時間の捉え方など、「他者としての自然」と「人間」の関係性を再考する。
梨木香歩、加藤幸子の鼎談も掲載!

はじめに 山本洋平

? 人間と動物のあいだ
【鼎談】鳥の影―二一世紀になお自然を描くとは  加藤幸子×梨木香歩×野田研一
イヌはいかに人間の言うことを理解するのか―マルチスピーシーズ民族誌の可能性
奥野克巳
越境する動物がもたらす贈物(ギフト) 矢野智司
彷徨(さすらい)といふ救済/ザネリの夜―『銀河鉄道の夜』『もののけ姫』に寄せて 北條勝貴
内なる、環境からの声―失われた〈時間〉を語るためのことば 李恩善

? 日本とアメリカのあいだ
真珠湾攻撃の内宇宙―バラードSFとエコ・テロリズム 巽孝之
ミッキー・ウルフマンなんか怖くない―オオカミ/パラノイア/『LAヴァイス』 波戸岡景太
バートルビーの眼をとじる―超越主義的ネットワークにおける視覚、身体、他者
山本洋平
環境意識の新生 ソローにみる異化の技巧  フランソワ・スペック(翻訳:藤原あゆみ)
ゲーリー・スナイダーの『終わりなき山河』―惑星文学の可能性 山里勝己
生きることは動くこと(Living is Moving)―アニー・ディラードの受動性 中川直子

? これからの環境人文学
未来の種、未来の住み処(すみか)―環境人文学序説 ウルズラ・K・ハイザ(翻訳:森田系太郎)
環境人文学の現在 結城正美
自然/文化、環境/文学―記号の儀式と擬制の祝宴 小山亘
「二五年後」のエコクリティシズム スコット・スロヴィック(聞き手:森田系太郎[編集・翻訳]、山本洋平)

おわりに 森田系太郎

野田研一[ノダ ケンイチ]
元立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科教授。
主な著書に『交感と表象―ネイチャーライティングとは何か』(松柏社、2003年)、『自然を感じるこころ―ネイチャーライティング入門』(筑摩書房、2007年)、『〈風景〉のアメリカ文化学[シリーズ・アメリカ文化を読む 2]』(編著、ミネルヴァ書房、2011年)、『異文化コミュニケーション学への招待』(みすず書房2011)(共編・鳥飼玖美子他)、『失われるのは、ぼくらのほうだ―自然・沈黙・他者』(水声社、2016年)などがある。

山本洋平[ヤマモト ヨウヘイ]
明治大学・専任講師。立教大学(博士[文学])。戸板女子短期大学・専任講師を経て現職。専門はアメリカ文学、アメリカ環境思想史におけるヘンリー・デイヴィッド・ソロー研究。

森田系太郎[モリタ ケイタロウ]
上智大学(学士[国際関係法])、立教大学(修士[異文化コミュニケーション]、博士[社会デザイン学])、モントレー国際大学院(修士[会議通訳])。専門は環境人文学、通訳・翻訳の実践。

内容説明

文学から歴史学、人類学、教育学、言語学を横断し、環境人文学における「他者」をめぐる最新の議論と、今後考えるべき問題を提示する。「異なる種」である動物の表象、人間外存在(ノンヒューマン)の表象から、贈与と負債の感情、時間の捉え方など、「他者としての自然」と「人間」との関係性を再考する。

目次

1 人間と動物のあいだ(鼎談 鳥の影―二一世紀になお自然を描くとは;イヌはいかに人間の言うことを理解するのか―マルチスピーシーズ民族誌の可能性;越境する動物がもたらす贈物;彷徨といふ救済/ザネリの夜―『銀河鉄道の夜』『もののけ姫』に寄せて)
2 日本とアメリカのあいだ(環境意識と文学の意匠―ソローにみる異化の技法;バートルビーの眼をとじる―超越主義的ネットワークにおける視覚、身体、他者;ゲーリー・スナイダーの『終わりなき山河』―惑星文学の可能性;真珠湾攻撃の内宇宙―バラードSFとエコ・テロリズム;ミッキー・ウルフマンなんか怖くない―オオカミ/パラノイア/『LAヴァイス』)
3 これからの環境人文学(環境人文学の現在;未来の種、未来の住み処―環境人文学序説;自然/文化、環境/文学―記号の儀式と擬制の祝宴;インタビュー 「二五年後」のエコクリティシズム)

著者等紹介

野田研一[ノダケンイチ]
立教大学名誉教授。主な著書に『異文化コミュニケーション学への招待』(共編、みすず書房、2011年)、『失われるのは、ぼくらのほうだ―自然・沈黙・他社』(水星社、2016年)などがある

山本洋平[ヤマモトヨウヘイ]
明治大学・専任講師。博士(立教大学「文学」)。戸板女子短期大学・専任講師を経て現職。専門はアメリカ文学、アメリカ環境思想史におけるヘンリー・デイヴィッド・ソロー研究

森田系太郎[モリタケイタロウ]
在野研究者。会議通訳者。修士(立教大学「異文化コミュニケーション学(環境コミュニケーション)」)、修士(モントレー国際大学院「翻訳・通訳(会議通訳)」)、博士(立教大学「社会デザイン学」)。専門は環境人文学、通訳・翻訳の実践(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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なーちゃま

4
『環境人文学』とは、環境問題だけでなく、人間環境や社会環境など様々な意味合いの元での“環境”を、文学、歴史学、政治学、社会学……など人文学系統の学問を分野横断的にして考えていく領域を指す。その中でも『エコクリティシズム』『ネイチャーライティング』など文学から環境にフォーカスする手法もある。 自分がやっていきたいことはこの環境人文学に含まれるのだと思う。文系の中の文系である文学からも環境に関われると知って、少し安心した。2020/02/17

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