内容説明
作中人物として物語に関与し、語り手・書き手・読み手としてその生成と享受に携わる女房たち―物語を織りなす言葉のネットワークとも多元的に関わりつづける女房たちのありように着目しつつ、物語の内と外との連環をもたらす『源氏物語』の方法を明らかにする。
目次
1 女房たちの関与する物語(『源氏物語』の多種多様な「読者たち」と享受;『源氏物語』の「いろ」と女房たち―“いろごのみ”論、“王権”論のあとに ほか)
2 物語の言葉・語り手・手紙(自らの言葉を処分する仮名文書―平安時代の和文;『源氏物語』の言葉と手紙 ほか)
3 「引用」と言葉のネットワーク(『源氏物語』とその同時代文学における「引用」の再検討;『伊勢物語』と『源氏物語』をつなぐ古注釈―的はずれにみえる注記のみなおし ほか)
4 『宇治十帖』の言葉(「物語」の切っ先としての薫―「橋姫」「椎本」巻の言葉から;「総角」巻の困惑しあう人々―「いとほし」の解釈をめぐって ほか)
著者等紹介
陣野英則[ジンノヒデノリ]
早稲田大学文学学術院教授。専門は平安時代文学、物語文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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