内容説明
「三国志演義」「水滸伝」と並ぶ、『楊家将演義』解説本。歴史・文学・演劇・神仙などの専門家による、物語の来歴、物語の舞台となった時代、京劇の演目としての広まり、そして各視点から見た『楊家将演義』の解説を収録。
目次
『楊家将演義』にまつわる解説(『楊家将演義』前後の歴史小説;「楊家将演義」について―『北宋志伝』と『楊家府演義』とその祖本)
『楊家将演義』の舞台となった時代(唐末五代から宋代にかけて―英雄たちが活躍した激動の時代;宋代の時代的特徴とは何か;架空の現実に生きるひとびと―『楊家将演義』のなかの軍職;『楊家将演義』の時代における社会情勢について―都市生活と婚姻事情を中心に)
『楊家将演義』と演劇との関係(元・明演劇における楊家将物語;舞台の上の『楊家将演義』;京劇の楊家将物と現代中国)
『楊家将演義』の様々な視点(『楊家将演義』の虚実からみえてくるもの;映像メディアに於ける『楊家将演義』―映画とテレビの世界;日本人は中国の歴史小説をどう読んできたのか―「通俗軍談」を中心に;楊家将物語の神仙説話;家で楽しむ「楊家将」年画;楊家将小説の版本と挿画をめぐって)
『楊家将演義』資料編
著者等紹介
岡崎由美[オカザキユミ]
早稲田大学文学学術院教授。専門は中国大衆文芸
松浦智子[マツウラサトコ]
名城大学理工学部助教。専門は中国文学、中国通俗文芸(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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安曇礼
2
正直これだけ買っとけばよかったかな~と思わないでもなかったけど(笑) いろいろな人が色々は方面からアプローチしていて面白かった。ドラマからの解説に関しては『少年楊家将』も『楊門虎将』も、イーキン・チェンの楊家将も見てるので、筆者さんに物申したい気分はあるんですがねww
すいれん
1
本編上下巻が借りられていたので、先にこちらを読むことに。かえってよかったかも。細かく解説されてるから、もうこれ読んだだけで楊家将演義読んだ気になってしまってる(笑)人物事典便利。楊家将の映画観る前に読みたかったなぁ(ヴィック・チョウが延安で、話は兄弟中心で楊業ほぼ死体だったけどあれ、めちゃ格好よかったわ)2015/11/26
Masahiro Tanaka
1
本編よりもこっちのほうが面白いんじゃないか、と思わせる本でした。多様な執筆陣が、多方面から「楊家将」を語りつくしています。個人的には、楊家将の前段となる唐末五代の様相や、楊家将が小説として成立していく過程を知ることができたのが楽しかった。購入したまま積観になっていたドラマ「楊家将演義」(90年ごろにNHKのBSでやってたやつ)をいよいよ観る時が来たか。2015/11/17
さとうしん
1
楊家将を題材とした演劇、映像メディアでの展開、物語に登場する神仙など、楊家将に関する興味深い話題が盛り込まれている。ただ「楊家将演義の舞台となった時代」の章については、同章の論考が所定の役割をあまり果たせておらず、かつ本書の他の章や、同時刊行の訳本の巻末の解説がその役割を果たしているので、この章自体が不要であったと思う。2015/06/26
相馬
0
基礎知識を得るために、「完訳楊家将演義 上」「完訳楊家将演義 下」を読む前に先にこちらを読了。北方「楊家将演義」しか知らないので、楊家将演義の成立、内容など、参考になった。ただ、20世紀後半からの、演劇、映画史は分量が多く、やや不要かな、と思った。2015/09/18