内容説明
老いと病に苦しみながらも、ノーベル賞受賞後にもう一花咲かせようとした“作家ヘミングウェイ”。晩年の作品群の変更過程をオリジナル原稿の修正痕から丁寧に辿り“彼”が発信あるいは隠蔽しようとした多層的な“ヘミングウェイ”を明らかにする。老いゆく作家が第二次大戦後に抱いた壮大な構想「陸・海・空三部作」とは何だったのか。
目次
序章
第1章 ヘミングウェイと「ヘミングウェイ」の分岐点―一九四〇年代以降の人生と作品
第2章 『海流の中の島々』
第3章 『エデンの園』/「最後の良き故郷」
第4章 『夜明けの真実』/『キリマンジャロの麓で』
第5章 第二次世界大戦を題材にした生前未出版の短編―「庭に面した部屋」「インディアン地帯と白人の軍隊」「十字路で憂鬱な気持が」「記念碑」
第6章 『移動祝祭日』/『移動祝祭日―修復版』
第7章 『危険な夏』
終章 ヘミングウェイ自伝の諸相―キュビズム、パリへの追憶、そして死の予兆
著者等紹介
フェアバンクス香織[フェアバンクスカオリ]
文京学院大学准教授。早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。学術博士(早稲田大学、2010年)。専門はアメリカ文学、ヘミングウェイ研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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