内容説明
自伝的作品である『しろばんば』、『わが母の記』芥川賞受賞作『闘牛』、山岳社会小説『氷壁』移民文学『わだつみ』など、井上靖の膨大な小説作品群から12篇を取り上げ、構想・内容・特色・素材・創作術・文芸性などを広角的に探求する。名作の数々を丁寧に解説し、巻末には略年譜も収めた初めてのガイドブック。
目次
1 自照と宿縁の内外(『しろばんば』―自伝による少年の賦;『北の海』―柔道に魅せられた浪人生の旅立ち;『わが母の記』―花・月・雪の美に浮かぶ老い;『グウドル氏の手套』―愛人から正系に入った祖母の肖像;『比良のシャクナゲ』―父性イメージの崩壊と苦悩;『わだつみ』―アメリカへ渡った移民の風景)
2 社会と人間と時空間(『氷壁』―アルピニズムと事件と愛と;『本覚坊遺文』―茶人“利休”を問う試み;『青衣の人』―ロダンの彫刻や東大寺の「過去帳」などによる連想;『闘牛』―行動による新生への賭け;『壷』―中国の作家老舎の悲劇;『ある女の死』―G・エリオット『サイラス・マーナー』との関わり)
3 付章(『猟銃』資料(ホノルル・一九六七年夏)
小説『流転』と『猟銃』の間―その空白の十年を考える)
著者等紹介
藤澤全[フジサワマトシ]
1937年北海道生まれ。日本大学卒業。米国イリノイ大学留学(客員研究員)。元日本大学国際関係学部・大学院教授、大学院総合社会情報研究科兼担教授。日本近現代文学・比較文学専攻。日本ペンクラブ会員。博士(国際関係)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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