内容説明
近世に成立した小説観は、どのように継承され、発展していったのか―翻案小説集ともいえる『雨月物語』をはじめとした秋成の文業はいかにして生み出されたのか。秋成の漢文受容は、後世へどのような影響を与えたのか。中国白話小説からの影響と相違を探ることで、日本文学とは何かをも照射する。
目次
第1部 秋成出現の基盤(近世小説と中国文学;朱舜水と水戸の唐話学;浅見絅斎と中国白話小説 ほか)
第2部 秋成の漢文学(上田秋成と『国府台戦記』―「修羅の時」の共用;近世の烈女たちと「浅茅が宿」の宮木;上田秋成と都賀庭鐘―無腸の号を廻って ほか)
第3部 江戸後期から明治への漢文小説(山本北山と中国艶情小説;摩島松南・吉田松陰と『西湖佳話』;曲亭馬琴『三遂平妖伝国字評』を評す ほか)
著者等紹介
徳田武[トクダタケシ]
1944年群馬県生まれ。明治大学法学部教授。早稲田大学第一文学部卒、1974年同大学院博士課程修了。文学博士。1979年に窪田空穂賞、1980年に日本古典文学会賞、1987年『日本近世小説と中国小説』で日本学士院賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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