内容説明
日本列島は、人間の侵略や虐殺、戦争をともなわずに新しい文化を受け入れてきた。日本人が他国の文化の受容に寛大であった最大の理由である。そのために、大地母神の信仰、人間と神との循環・交流など、他国が変質させ、失った信仰の古層を、日本人は保存することができた。馬琴が『南総里見八犬伝』にえがきだした世界は日本人の信仰の原風景である。伏姫に代表される女神信仰と役行者に代表される新しい体系宗教の男神との交流・拮抗を通して日本人の信仰の本質が露呈する。
目次
1 世界宗教における女神
2 男神に対抗する女神伏姫
3 『八犬伝』世界の男神
4 大先達ヽ大
5 御霊神玉梓
6 日本人の大地母神信仰
7 女神が守護する国
8 日本人の家
9 神と人の循環・交流
10 日本人が生み出した本地垂迹思想
結び
著者等紹介
諏訪春雄[スワハルオ]
学習院大学名誉教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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