内容説明
漢文訓読や歌論・連歌論等、日本語に関わる人々の関心事であり続けた「テニヲハ」。近世後期に入ると、国学者たちはテニヲハの研究を深め、陸続と語学書や活用表が編まれた。現代とは異なる範囲と尺度を持つその活用表は、語学的な営為の結晶であるとともに歌学・古典学の精髄でもあった―近世の伝統的なテニヲハ研究を、動詞の活用研究との関係から辿り、近代的文法研究にどのような影響を与えたのかを検討。国学研究の地平に肉薄し、その射程を読み解く。附録として未発表資料黒川真頼草稿『詞の栞』影印・翻刻を掲載。
目次
第1部 完了「り」の学説史(完了「り」考―鈴木朖まで;完了「り」考―本居春庭以降;「自他」再考)
第2部 命令形の学説史(「命令形」考;続「命令形」考―明治前期における;「属」考―意味分類の試み)
第3部 八衢の系譜(黒川真頼の活用研究と草稿「語学雑図」;黒川真頼における『詞八衢』の受容と展開)
附録
著者等紹介
遠藤佳那子[エンドウカナコ]
1986年生。上智大学大学院文学研究科国文学専攻博士後期課程満期退学。博士(文学)。現在、都留文科大学非常勤講師、フェリス女学院大学非常勤講師、実践女子大学非常勤講師。専門は日本語学、日本語学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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